ワイヤーアクション「SANABI」が良すぎて会社休んだ 

どうしてもやりたいゲームがある。…でも明日は仕事がある。

 

そんな場面は誰しもあると思います。

 

僕はそんな時、迷わずゲームを選びます。「思い立ったが吉日」という言葉があるように、その時の好奇心はその時限りのもので何か別の事をしたり時間が経ってしまうと好奇心が別の事で上書きされていき、やがて好奇心を持てなくなってしまう。好奇心が無くなったらそれは人間と呼べるのか?いやそれはもう人間を模したロボットでしかありません。そうなってしまうのが僕は怖いのです。仕事を休みたいからという浅はかな考えではなく、僕が人間であるために必要な決断なのです。

 

というわけで断腸の思いで欠勤をキめ、steamで買った「SANABI(サンナビ)」をクリアしたので感想を。

 

 

最高のゲームです。面白過ぎた。

大雑把な概要としては謎の『サンナビ』を追う軍人の物語で、ワイヤーアクションを駆使してゲームを進めていきます。

 

巷ではこのゲーム、ワイヤーアクションよりも「とにかくストーリー良い」と言われてます。クリアしたが、確かにストーリーはヤバい。先が気になってしょうがなかった。ストーリーの良さが俺を欠勤へと導いたといっても過言ではない。

ただ、ネタバレせずにストーリーの良さを伝える技術は無いのでそれ以外でスゲェと思った所を。

 

 

導入が神懸ってる

前述のとおりこのゲームはサンナビという人物を追う物語で、導入のある出来事をきっかけにサンナビを追う事になります。

導入部分は1時間程度。導入が終わったとき俺は心の底からこう思いました。

 

「サ ン ナ ビ を 殺 す」

 

そこにはサンナビを殺すために生まれ、無差別に敵を殺しまくる男の姿があった。

キャラクターに感情移入して感情任せにゲームするのって普通は中盤~終盤くらいだと思うんですが、SANABIはたかが1時間の導入でその状態を作り上げている。プレイヤーへの動機作りが上手すぎる。

 

 

キャラ表現が3Dゲームを超えてる

ドット絵なのにとにかくキャラが動く動く。しかも使い回しも少なく、完全にシチュエーション重視で作ってる感がある。ただでさえドット絵ってだけで愛着がある存在なのに、そこに七色の動きを見せられたらそれはもうズル。キャラという名の凶器でひたすらぶん殴られます。

さらに動くのはキャラだけではない。セリフ(テキスト)も動く。叫んでるとこではセリフが大きくなり、ぼそぼそ喋ってるとこでは目視出来ないくらい小さくなる、怯えてる時はセリフ自体がプルプル動いたりする。キャラボイスは無いのにセリフが動く事で抑揚ありまくり、掛け合いのニュアンスがめちゃくちゃ分かりやすい。

この動きまくるキャラとセリフが核融合を起こしてて、ドット絵にも関わらずSANABIはキャラクターの感情が手に取るようにわかる。どれくらい喜んでるのか、どのくらい悲しんでるのか、このキャラ表現の「分かりやすさ」が異常。ドット絵なのに。

マジでその辺の3Dゲームよりも表現が突出してる気がする。

 

 

オープンワールドかと錯覚する世界

SANABIは2Dの横スクロールゲームなんですが、要所要所で見せてくる背景の使い方が上手くて、自分のいる世界がかなり広く見える。これがスピード感の無いノロノロゲームなら関係無い要素を見せられてるという印象になりそうだが、爽快スピーディーなワイヤーアクションだから変な納得感もある。俺がこの世界を駆けまわってるんだ…!みたいな。

俺みたいなオープンワールドのゲームはダルくて嫌いだけど壮大な世界観でワクワクさせてほしいワガママにはもってこいのゲームだった。

 

 

導入、キャラ表現、オープンワールドみたいな世界。総じて魅せ方が超うまいゲームだと思いました。

正直、アクションでダルいステージがあったり、一部翻訳が怪しい所はあるが、そんなものはエンディングで涙と共に全て流れ落ちました。SANABI是非。